矢坊主の加工

色々と使えそうなので
必要な径の矢坊主を2本購入してみました

”やぼうず”
って面白い名前ですよね
本来の使い方は
サイコロ玉台というものを使って
板を半球状に成型する為の道具なのですが
詳しくはググってみてください

届いた物を計測したところ
球の直径よりも軸径の方が太いことが判りました

元の写真を撮り忘れたのでネットから拝借しました

私が使いたい用途では
軸の方が細い方がありがたいので
旋盤で削ることにしました


これで便利に使えそうです

久しぶりに鉄を削りました

オールドヘインズのご紹介 その2

このヘインズレギュラーモデルの特徴として
シンプルながら非常に心地よく指にフィットする
独特のカップ形状が挙げられます


そしてこの楽器の足部管は
Cis-roller と Dキーも roller 仕様になっています

これがまた非常に良い操作性なのです!
なんでこのスタイルが無くなってしまったのでしょう?
小さいローラー付きのDキーもありますが
それよりはずっと良い感触です

キーの連絡システムもスッキリしています

最近はこの様に連絡棒を使っていますが
これよりはよっぽどチャーミングでデザイン的には好きです

こちらに関連記事をUPしました


その他にも
裏Gisキーの裏側も凹面に削り込んであります
長いキーですので先端が重いと僅かながら
通常閉じているカップを開けようとする力が働きます
ここには太いバネが使われているのでさほど心配はありませんが
細かい配慮だと思います

Gis オープンの場合は普通のバネですし
キーが重いとカップが閉じてしまうので尚更配慮が必要です

以前自分の楽器をGisオープンに改造した時も
同様に削り込んで軽くしました
ただあとから成形するのは手間が掛かります

古いヘインズレギュラーモデルは
この様に個性的で魅力的な楽器ですが
残念ながら一般的にはあまり人気が無い様ですね

熱狂的な(言い過ぎか?)ファン(J.S.氏)のお陰で
私も興味を持つことができました

この楽器を普段使いにできると良いのですが・・・

オールドヘインズの修理➡ご紹介 その1

前回の頭部管に続いて
胴体にも手を入れようと思っていたのですが
とにかくご老体ゆえに躊躇してしまいます

いろいろと特徴がある楽器なので
とりあえずその辺りを紹介しようと思います

先ずは最も珍しい・・というよりも
何故なんだ??
というキーメカニズムです
画像の親指キー(Cキー)の部分
ブリチアルディキーと併せて”バッタ”と呼んでいます(業界用語?)
因みにブリチアルディキーは”ハネ”と呼びますが・・
通常よりバッタの尻尾が長いのがわかりますね
その下に連絡用のスクイがあります
この先の右側にはAisレバーがある筈ですが
それを押さえるとバッタが動いて C-cup が塞がり H の音が出ることになります
動画の方が判り易いと思います
私自身は結構Aisレバーを多用する方なので
この際通常のシステムに変えてしまおうと考えていました
でも
折角なのでこのままにしておこうと思います
慣れれば何とかなりそうです

当初オープンGisへの改造も考えていましたが
この老体への大手術は躊躇われるので
止めることにします
これも慣れれば済む事ですし・・・(^^;

その後気づいたことがありFBに投稿しました


どのくらい劣化があるのかは
この画像でもわかります
引き上げのトーンホールの上面
カーリング部分が擦り減って欠けています
この状態でも下まで音は出るのですが
Eから下の響きに少し影響しているようです

この二箇所はトーンホールがはんだ付けされ治療済みです

さて
音が出ているうちはそのまま使う事にします
結局何も手を着けず・・・(^^;

オールドヘインズの修理 その1

このところ
チューニングというよりも
結構大掛かりな修理が続いたので
ついでに取り掛かる事にしました


菅原潤氏から
状態が良くないので研究材料にでも・・・
頂いてしまった古いヘインズのレギュラーモデル
 #7693 
どうやら1926年頃に作られた楽器らしい
ということは・・なんと 90歳 !

確かに鳴りは良くなく
頭部管を替えてもあまり変わらなかったのですが
とりあえず頭部管をさわってみる事にしました


この頭部管の歌口穴の中心から管の端までの長さは
155mm あります
現在の頭部管は殆どが
150mm です

ところが
胴部管 Cis トーンホール(中心)から歌口穴までの長さは
約 230mm ですので
今の楽器と変わりません

頭部管は長めでも胴部管は短くなっていて
辻褄が合っている訳です
ですので色々な時代の楽器をいい加減に組み合わせてしまうと
ピッチが合わない状態になってしまいます
それを無理やり管を切断して合わせてしまう・・・
などと云う事が巷では行われているのではないでしょうか?

この楽器は
3~4mm抜いた状態でA=442Hzに合わせられます

見たところ特に問題は無さそうです

ところが中を覗いてみると
ライザーと管の穴の位置がずれています
あとから歌口を付け直すか交換されているようです

本来ならば穴を埋めて元に戻すだけの方が良いのですが
オリジナルではなそうですし
ちょっと試したい歌口があったので交換することにしました

外してみると
変わった切り欠きがあります
こんな絵をイメージしてしまいます・・・
何かのしるしなのでしょうか?

先ずは管の穴を埋める事にします
銀管の切れ端に穴の形をケガイて切り取り
穴に合わせてやすりで削りながら合わせて行くと
ピッタリはまる状態になりました!

 ロウ付けして磨いたところです

磨く前に凹みを治したのですが
どうやったらこんなに凸凹になるのか
という凄まじい状態でした
(元の画像を撮り忘れました・・残念!)

マークの刻印も既にこんなに薄くなっているので
ほどほどで止めました

そして
新しい歌口をはんだ付けしました

形はほぼ作ってありましたが
管の部分を削りつつ細部を修正して仕上げました



完成しました

新しい歌口もシンプルな形状ではありますが
明るくクリアーな音に変わり若返ったようです

前から疑問に思っていたのですが・・
ヘインズのレギュラー管は接続がかなり太めです
管厚が厚いへヴィー管かと云うと
それほど重量的な重さも音質的な重さも感じられません

その疑問を解決すべく
測定してみることにしました


手持ちの Haynes  Handmade Heavy #40482
と比較しました
ヘッドスクリューやクラウンの形状もかなり違いますが
レギュラーには接続部にリングが付いています

       レギュラー   ハンドメイド(Heavy)


    全長   230mm     225mm         

         重さ    83.2g      91.6g               

         管厚   0.30mm    0.46mm              

         樽内径   19.9mm     19.8mm               

※接続部の外径は測り難いので胴の樽内径の値にしました
管厚も正確ではありません

やはり管厚は薄いのに太い・・・
すなわち内径が太いということになります
ハンドメイドは標準のΦ19.0ですが
レギュラーはΦ19.2~19.3です

私の師匠の楽器の
古いセルマー S-1770
で感じた印象も同じでした
太いのに軽い・・・

大昔の傾向だったのでしょうか?

  

ピッコロ頭部管の試作 その六

今回はワイルドオリーブウッドでの試作です


接続は今回もフルートの銀管を利用した形ですが
前回とは少し変えて
よりしっかりと固定できるようにしました




これからピッコロ協会会長(?)の元に送って
厳しい判定を待ちます

今日の治具(ジグ)

治具とは
作業を効率よく行うための補助となる
道具や装置の事ですが・・・
(英語の jig の当て字らしい)

今日はピッコロのヘッドスクリューと反射板をロウ付けする際
センターを決めるための治具を作りました

身の周りにあるものを物色したところ
丁度良い物がありました!

 約Φ10の穴が掘ってあったので
Φ12の銀の丸板がピッタリはまる様に彫り込み
更に裏から押し出せるようにΦ4の穴を貫通させました

銀板をセットして旋盤を使って
軸径のエンドミルで0.15mmほど彫り込むわけです

結構ピッタリ収まるので
両面テープで固定するだけで動きませんでした

本当はロウ付け用の治具も考えなければならないのですが
  
とりあえずフリーでも問題なくロウ付けできました

ここから内径に合わせてさらに削り込みます

 こちらも note に投稿したのでリンクを貼っておきます。 https://note.com/utakuchikoubou/n/n54424a95df5e