ピッコロ接続管用芯金

暮れも押し詰まってまいりましたが
ピッコロの接続リングの製作に必要な
ケージ兼成形用の芯金を急遽作りました


15.5mm~15.8mmまで
0.1mmずつ4段階の太さにしました
画像では段差が目立ちませんが
指で触れるとハッキリ分かります
直径0.1mmの差はすり合わせには
かなり大きな違いがあります

本当は鉄で作りたかったのですが
時間も取れないので
取り敢えず真鍮でサクッと削りました

これで色々なメーカーにも対応できそうです

Brannen Brothers Piccolo のコピー

先日
N響の菅原潤氏から
「凄く吹き易いので見てみますか?」
ということで
このピッコロをお借りしました
表に見える銀の接続管が
そのまま本体のコルクとすり合わせしてあるので
とても細い管体です

面白そうなので採寸して
同様のものを作ってみることにしました
 材質はキングウッドです
 なんとか形になりましたが
初期段階で
なんとも間抜けなミスをしました
リッププレート部分を残して旋盤加工した後
歌口穴を開けようとしたら
リッププレートの中心になりません!
どうやら寸法を間違えたようです・・・
オシャカ・・と思ったのですが
欠けて足りない分に木を貼り合わせて
誤魔化しました
ですので この様になってしまいました

薩摩黄楊

ST-100 として完成した
薩摩黄楊製頭部管の仕上がりが良かったので
もう1本作ってみたくなりました


前回木取りしたうち
一番左はピッコロ用にして2番目を使いました
右端の材料でもう一本作れないかと
加工してみることにしました
30Φを取るのは難しそうです
残念ながら26~27mmしか取れませんでした
これもピッコロにまわすことにします

そこで
もう一本の丸い原木から木取りすることにしました
手段としては鋸で手挽きしかありません
何とかなりそうです

無事切り終わりました
これで1本分は作れそうです
この先は慎重に進めて行きます



歌口の再生 RW60 その後

前回作業の後に音を出してみると
さすがに銀のライザーにしただけあって
しっかりとした発音になったものの
どうもイマイチの感触です・・

息が吹き込めずに詰まったような感じで
何か問題のある状態です

元々不満を感じていた原因は
歌口よりも
他にあるようです

管内の状態にあるのではないかと思い
接続管を外して
リーマーをかけ直すことにしました

接続管の奥をパテで
テーパー状に成形していたのも
取り去りました

銀のライザーも一緒に削って
内面を面一にすることができました

これでつまり感や吹き難さは無くなりました
少々雑音が気になるのは
ライザーと木部の境目の影響でしょうか・・
銀のライザーにするよりも
もっと前に気付くべきでした・・・

歌口の再生 RW60

RW60・・
この頭部管は
家内が所持していたローズウッド製クラベス
から作ったものです

1本は第2作目の RW2 として
お客様の手に渡りました

残りの1本は
家内の楽器用に製作して
手元に置いてありました

何故か鳴りがイマイチで
あれこれと手を入れて試していましたが
あまり改善されず
穴も大きくなってしまいました

そこで
銀のライザーを埋め込んで
作り直すことにしました

手持ちのライザーだけでは高さ(深さ)が足りなかったので
0.8㎜の板をロウ付けして貼り合わせました
貼り合わせて中をくり抜きました
 余分な部分を削って
この様に成形しました
これに合わせて
木部の穴を広げていきました
管の内側から入れながら確認するので難儀しましたが
ほぼ合わせることができました

内側はこんな感じです
これではまだかなり穴が小さいので広げていきます
これでも通常よりも小さいのですが
形も整ったので敢えて小さめに仕上げることにしました
カットは・・・
できあがりました
多少隙間が目立ちますが・・・
現物合わせのやっつけ仕事ですので致し方ないところでしょう・・

予めお断りしておきますが
これは自分の楽器で試しただけで
今後製品にするつもりはございません

「ブラウン フルート」の画像検索結果
このブラウンの木管は14Kライザーだそうですが
雰囲気は似ています

No. 100 薩摩黄楊


その後
少しずつ作業を進め
ようやく形になりました


質感はワイルドオリーブに近く
さらに
ピンクアイボリーのような緻密さもあります
 磨くと艶が出て綺麗です
ただ
この画像をよく見ると
形状に気になる部分があったので
後ほど手直ししました

ヘッドキャップも
デザインを変えてみました

仕上げのオイル処理の前に
刻印を入れました 
TSUGE では字数が多いので
薩摩黄楊の ST にしました
御蔵島黄楊を使った場合
MT
となりますが
以前ムラサキタガヤで使用しているので
どうしようかな?




薩摩黄楊の木取り

だいぶ前に
原木の状態で入手した薩摩黄楊ですが
どうやって木取りしたら良いものか
考えるだけで
手をつけていませんでした

バンドーソーの導入も考えたのですが
この狭い部屋では
設置場所もありませんし
集塵をきちんとしないと
大変なことになりそうです

いよいよ100本目の頭部管を製作するにあたり
黄楊を使ってみようと考えました

とにかく
失敗を覚悟で手鋸で挽いてみることにしました
こんな小さな丸太半分でも結構いいお値段です
何度か休みながら
あともう少しで切り終わります
全くのフリーハンドですが
結構真っ直ぐに切れています
多少節もありますが何とか使えそうです

ここからフルートとピッコロの材料が1本ずつ取れれば・・
と期待しているのですが
フルート用にはギリギリのようです
ダメならもう1本の丸太を使いますが
これを手鋸で・・となると
難しそうです

とりあえず
切り終えた材料を
円柱にしてみることにしました
こんな形状から挽くのは初めてですが
如何にも ”ウッドターニングしてるぞ!”
という感じです
Φ32程度の円柱が取れました
これならフルート用に使えそうです

その後の穴あけで中心がずれてしまい
駄目かと思いましたが
ずれた穴を中心にして外径を削ったところ
何とか取り残しなく寸法が出ました
無事に " TSUGE 100 " の刻印を入れて
仕上がると良いのですが・・


前回の続き

実際に使ってみると
支点になる脚の長さが短くて使いづらかったので
急遽延長するための接手を付けました
当初
何も考えずに
手元にあったナラ材の板から
最大長が取れるように適当に切り出しただけなので
当然の結果ではあります

ちょうど円柱にしてΦ10の穴のあいた杉材があったので
パープルハートの丸棒を削って
延長用の棒として継ぎ足しました

変な格好に研げていますが
ダブルベベルにしたところ
結構綺麗に切削できるようになりました

ガウジ用冶具とグラインダーの整備

木工旋盤による加工では
チャッキングと刃物の切れ味が重要です
前回ブレ止め冶具を作りましたが
今度は刃物を研ぐための冶具を
作ることにしました

いつものように
身の周りに転がっている材料で作りました

 スピンドルガウジを研ぐための冶具です

使用した材料はサクラとナラ材です
 この様にセットしてグラインダーで研ぎます
まだ残った部分もありますが
綺麗に研げるようです
今回はフィンガーネイル・ボウルガウジに
近い形にしました

ついでに
グラインダー周りも整備して
スピンドルラフィングガウジの方も
スライドレールをセットして作り直しました
前回の様子はこちらをご覧ください

グラインダー本体を固定した板に
スライドレールも固定して常設しました
ただ
ベアリング部分がむき出しだったので
ジャリジャリで大変なことになりました
何か対策を施さねば・・・

続く

ブレ止め冶具の製作

最近管の穴あけ(中ぐり)加工で
うまく行かないことがあるので
ブレ止めを使ってみることにしました

木を使って
一から作ることも考えたのですが
金属加工旋盤のオプションとして購入したものを
流用することにしました

 
製作と言っても
ただ単に高さを合わせるために
板を重ねて貼り合わせるだけです
手元にあった材料は少し幅が足りなかったのですが
たまたまぴったりの高さになったので
2段重ねにしてもう1枚と貼り合わせました
裏側は木工旋盤のベースの溝にはまるように
突起をつけました
少々緩めになってしまったので
0.3mm厚の洋白板を両側に付けました
バネのような効果もあり
ちょうど良い感じでスライドします

このようにして使います

因みに
押さえ用の3つの爪は
以前砲金製からPOMに交換しました


 こちらも note に投稿したのでリンクを貼っておきます。 https://note.com/utakuchikoubou/n/n54424a95df5e