接続アダプターの製作

以前菅原潤氏から依頼があり
頭部管の調整をした Philipp Hammig の木管ですが

この楽器に木製頭部管を合わせるためのアダプターを作ることになりました
デザイン的にはかなり無理があるので
コラボタイプをメインに考え
木製にも使えれば
良しとしました

 本体と質感の近いブビンガ材(アフリカンローズウッド)
をくり抜いて樽をつくり
コルク側には0.3mm厚の洋白板を丸めて巻管とし
頭部管側は銀管を広げて接続管が入るよう合わせました
コルク側には銀のリングを付けます 
 管を作るのに色々な道具を駆使しました
丸めたり叩いたりして成形するのに
ディープソケットが役立ちます
コルクナットを回すのに便利そうなので
右端の1本が欲しかったのですが
セットで買ったおかげで
いろいろな用途で重宝しています

さて
金属部を接着した後に形を整えて行くのですが
旋盤加工が下手なのか
肉厚が均等になっていないので
ヤスリで修正・・というよりも
殆どヤスリで成形することになりました


現物が手元に無いので
計測値を頼りに合わせたので
果たして現物にピッタリ合うか不安はあります・・・

 コラボとの組み合わせは良い感じです
木製頭部管では違和感がありますが・・・
無いよりマシでしょう





イスノキ(ユシギ)の頭部管製作 その3

さて
接続の部品も準備できたので
(前回 その2)
いよいよ本体の加工に入ります

前回丸棒にした状態から
穴あけを済ませ
 ここまで加工しました

 リッププレート部分を削り出し
歌口穴もほぼ出来上がりました

リングと接続管を接着し内径と穴も仕上げました

エンブレムも貼って磨きあとはオイル仕上げ
というところで
ヘッドキャップをまだ作っていない事に気づきました

そしてオイル処理も済んで完成しました

本体に合わせて作ったので接続に纏わる問題もなく
下から上まで問題なく鳴ります

木の説明にあるようなあばれや割れが生じなければ
頭部管の材料として問題なく使えそうです

次はフルート用頭部管の製作ですが
なかなか時間が取れません・・・







イスノキ(ユシギ)の頭部管製作 その2

さて
ぼちぼち製作を始めようかと思っていたところ
先ずはピッコロ用の頭部管の製作依頼がありました
歌口がいじられて良くない状態の頭部管の Tuning と共に
新しい頭部管をユシギで製作して欲しいとのことで
竹澤のピッコロが送られて来ました

この件については
ホームページに載せましたので

以前扱った竹澤のピッコロは
このような接続の形状だったので楽に作れるかな
と思っていたのですが
今回の楽器はこのようになっていました
構造は普通のピッコロとほぼ同じですが
デザイン的には私が以前作っていた初期型に似ています

今回は最近作っているのと同じ形にすることにしました
そこで
各部の寸法を測って
接続部分から作ることにしました
ちゃんとした製図はせずにこんな汚い図面ですが・・
接続用パーツが揃いました

リングは木部の加工が済んでから
現物合わせで位置決めしてからロウ付けします
ちょっときつめの感じがしますが・・
多分大丈夫でしょう (^^;

次はいよいよ木部の加工に入ります





イスノキ(ユシギ)の頭部管製作 その1

沖縄にお住まいの方から
沖縄ではユシギと呼ばれるイスノキで
頭部管がつくれないだろうか・・
というお話がありました

あまり馴染みのない木でしたが
沖縄では良く使われているそうで
三線の棹にも使われているようです

イスノキ
別名 : ヒョンノキ、ユシギ(沖縄)
学名 : Distylium racemosum   
科名 : マンサク科(イスノキ属) 
産地 : 本州南部、四国、九州、沖縄
比重 : 0.90 ~ 1.00         
硬さ : 9             
国産材では最も重くて硬い木の一つ
乾燥時の収縮率が高く、かなり暴れる
乾燥後も割れることがある

・・ということで
少々割れの不安はありますが
製材して送ってくださるということなので
挑戦してみる事にしました

沖縄に二人居られる現代の名工のお一人に頼んで製材してもらった
という材料は
流石にとても綺麗な角材になっていました
ちょっと変わった感じの色合いです

 
取り敢えず加工し易い長さに手鋸で挽いてみました
普段扱っている木に比べて
特に扱いにくいという印象はありませんでした

轆轤挽き(旋盤加工)でも
それほど硬いという印象はありません
あとは割れずに最後まで加工できれば良いのですが・・・

ピッコロの接続調整

コラボタイプをお買い求めいただいたのですが
接続が緩いということで
調整することになりました

コルクのキャップ部分が緩いので
以前用意しておいた銀の薄板を丸め
キャップの内側に貼り付けることにしました
ついでに
銀管との接合部も緩かったので
銀管を切って外周を削り
芯金に入れて叩いて広げて隙間を埋めることにしました



板の厚さは約 0.1㎜ 程度で
合わせてみるとピッタリでした

ところが
接着した後に確かめると
少々きつめになっていました!
接着剤が間に入ることで
ごく僅かに内径が狭まることは予想していたのですが
さらに
銀管とキャップの中心のずれが生じて
部分的に狭い箇所ができてしまったようです
修正可能なようにシェラックを使用しているのですが
他の部分との兼ね合いと
より強固にするために他の接着剤も併用してしまった為
熱して外すことはせずに
貼り付けた銀の狭い部分を削ることにしました

初めは小さなヤスリとペーパーで削ってみたものの
急遽細いナイフを作ることにしました

1.5mmの隙間にも入るのでこれからも重宝しそうです



なんとか出来上がりました




自分用の頭部管

今まで自分用として使っていたのは
でした

ひび割れもだんだんひどくなり
鳴りも悪くなったのをきっかけに
少し前にウェーブにしてしまいました
当初良いような感じがしていたのですが
少々穴も大きくなってしまい
だんだん違和感を感じる様になってきました
吹き方もなんだか変になって来て
これではいけないと思い使用を止めました

しばらくはオリーブ製のコラボ頭部管を吹いていましたが
銀管に近い感じで
面白くなくなってきました

良い頭部管ができたら
自分用に確保しても良いのですが
なかなかそれが出来ないのです
どうしても良いものは製品として提供したいので
何か問題のある物を自分用に当てることになってしまいます

先日必要があって
DACにお預けしたあった頭部管数本を持ち帰りました
そのうちの1本
以前このブログでもご紹介した
リグナムバイタ製ウェーブ頭部管ですが
割れが生じて試奏用にしてあったものです

これもあまり良い感じではなかったので
最近の歌口に削り直して変更することにしました
ついでに内径にも問題があったので
リーマーを掛け直しました

かなり良い感じの頭部管になりました
最近変更した歌口設計について
これで行けるのではないかとちょっと自信が持てました

接続付近に割れが生じて修理したので
今後の状態の変化も検証しながら
気持ち良く吹くことができそうです
パロサントに似てとても好い香りです

久々に録音もしてみようか・・などと考えて居ります


・・ということで
久々に録音してみました。
https://youtu.be/ZdtpaQZGCvs

杉の頭部管

以前
北山杉を使ってフルートの頭部管を作れないだろうか?
というご相談を受けました

それ以前にも
秋田杉を使って頭部管はできないものか?
という別件もあったのですが・・

杉は余りにも柔らかくて軽く
防水のことや耐久性・強度についても心配ですし
なによりも
ちゃんとした音が出る楽器になるのか
全く自信が無かったのでお断りしていました

その後
今度は飫肥杉(おびすぎ)を用意するので
それを使ってお願いできないか・・
というお話がありました

実際に試してみないことには
可能か不可能なのかもわかりませんので
ちゃんとした楽器になるかどうかは確約できない
という前提で
お引き受けすることにしました

この様な形でご用意いただきました
40㎜x40㎜ と太目の角材だったので
通常の工程とは変えて
最初に丸棒に加工することにしました
 通常扱う木とは全く異なり
スクレーパーを当てるとささくれてむしり取られる感じです
硬い木よりも
むしろ刃物の切れ味が重要かもしれません

穴あけ加工も何とか終了しました
とにかく柔らかいので
チャッキングには気を使います

この軽さは
形状から云ってもまるでうまい棒のようです
(ちくわの方が重いと思われます)

 そしてここまで形に出来ました
部屋中に杉の良い香りが漂います

次にヘッドキャップを作り始めたのですが
画像の様に加工途中で欠けてしまいます 
 何度か挑戦したのですが
加工方法を変えないと上手く行かない様です
場合によっては別の材料にすることも考えました

歌口の成形も終わり
後は仕上げの方法と金属パーツの取り付けです

今回初めて木固めエースという物を使って
木固め処理をしてみることにしました
要はポリウレタンの樹脂を染み込ませて硬くするのですが
かなり強いシンナー臭ですので
作業は屋外で行いました
2分ほどドブ漬けにして拭き取り丸1日乾燥させる
という作業を5回行いました
途中シンナーで拭き取り水研ぎしたりと
かなり手間の掛かる作業でした

今回は2本の頭部管を製作することになっていたので
1本は木固め処理をして
もう1本は通常のオイル仕上げにすることにしました

 左が木固め処理の終わった頭部管
右はこれからオイル処理に入る頭部管です

ヘッドキャップもなんとか作ることが出来ました
通常はなるべく杢目や色合いをそろえる為に
同じ材料の部分から作るようにしているのですが
今回はそのようにできませんでした






ようやく完成しました
飫肥杉ということで OS-1・OS-2 としましたが
どこかの飲料水の名前のような・・・

さて
肝心の音ですが
土産物屋で売っているおもちゃの笛ような
情けない音になってしまうのでは・・
という懸念もあったのですが
意外というか
結構しっかりした音が出ました
柔らかい音ですが
木固めした方はよりクリアーな音になりました
用途や環境によっては
十分演奏に耐える楽器になったと思います

ただ耐久性や強度には不安も残ります
また細部の仕上げにも妥協せざるを得ません
ので
この先もうこれ以上は作りたくない・・・
というのが正直なところであります



 こちらも note に投稿したのでリンクを貼っておきます。 https://note.com/utakuchikoubou/n/n54424a95df5e